「河川維持」という言葉をお聞きになったことはありますか?
赤川下流維持工事(令和4年度)を例に、おもな内容をご紹介します。
◇ 維持工事:その1「堤防除草」
堤防の大きな役割は、洪水が住宅地や農耕地へあふれ出るのを防ぐことです。亀裂や沈下などがあると機能が低下して十分に役割を果たすことができませんから、日頃の点検・修繕が大切です。
しかし堤防が雑草におおわれていたら、精確な点検が出来ず、わずかな変化を見逃すおそれがあります。定期的に除草を行い草丈を保つことは、わたしたちの暮らしを守る上で、実はとても重要なことなのです。
◇ 維持工事:その2「クロマツ維持」
クロマツの林には、防風と防砂の役割があります。日本海から吹いてくる塩分を含んだ風や砂が、農耕地や住宅等に大きな被害を与えるのを防いでくれるのです。
この頼もしいクロマツ林を保つには、人間による適度な管理が欠かせません。
マツクイムシ等の病虫害を防ぐために薬剤散布をしたり、強く丈夫に成長するために適度な間隔をあける必要があるのです。
画像左上:雪解けころのクロマツ林(着工前)
画像左下:病虫害を防ぐために薬剤散布をする様子
画像右下:過密状態による枯れや細りを防ぐために間伐する様子
画像右上:適度な間隔になったクロマツ林(完工後)
◇ 維持工事:その3「内水排除施設」
内水排除…? あまり耳にしない言葉ですね。
雨が大量に降って、排水路や下水道がおいつかなくなると、低い土地は浸水=内水氾濫してしまいます。(↓内水氾濫のイメージ)
いぢちひろゆき.net
「防災無料イラスト」より
https://ijichihiroyuki.net/index.html
この堤内にたまった雨水を汲み上げて河川に逃がしてやることを、内水排除といいます。
そのためのポンプを設置して排水する場所が、内水排除施設↓です。
一見すると川辺に降りるために土手につくられた階段のようですが、これが内水排除施設です。
(左:旧施設、右:弊社施工の新施設)
いったいどのように排水するのでしょうか???
緊急時すみやかに作業ができるよう、定期的に訓練を行っています。その様子をご覧ください。
上記画像は訓練のため一部しか使用していませんが、実際には1分あたり60㎥ほどの排水が可能です。10分でスイミングプールを空っぽにできるイメージですね。
最後までご覧いただきありがとうございました。
川辺をドライブするときに、堤防やクロマツのことをちょっと思い出していただけたら嬉しいです。